当院はリハビリテーション(運動療法)の1つとしてピラティスに力を入れております。
今回の記事では、首・肩や腰の症状がどのような原因で生じるのか、呼吸との関係に着目して解説します。
そのあと、ピラティスで大切にしている概念を交えながら、身体を動かす時の動かし方をお伝えします。また猫背と反り腰になりにくい体も理学療法士がお伝えします。
首・肩や腰の痛みを引き起こす要因の1つに『呼吸の方法』があります。
首・肩と腰に負担の少ない呼吸は肋骨の動きが大切です。
呼吸をする際に、肋骨が広がり胸郭が拡張され、肺に十分な空気が入ります。
息を吸う時は肋骨は広がる動きをします。
肋骨の開く動きが制限されると、息を吸う時に肩がすくむ可能性があります。
呼吸の度に肩がすくんでしまうと、首・肩周りの筋肉が過剰に緊張してしまうため、筋肉由来の痛みが生じやすいです。また、息を吸った時に、胸周りが膨らまずにお腹だけが膨らむ場合は、お腹の筋肉が引き伸ばされている状態で力が入りにくく、腰が反りやすくなるため腰痛の原因になります。
息を吐く時は肋骨が閉じる動きをします。
息を吐いた時に肋骨が閉じない・下がらないことが多く見受けられます。
これは、息を完全に吐き切れていない事が起因となっている可能性があります。息を吐き切るためには、軽くて優しい腹筋の力の入れ方が必要になります。息を吐くことは副交感神経を刺激し、身体がリラックスしていきます。息が吐き切れないということは、身体が持続的に緊張している事が考えられ、それによって不調や痛みを引き起こす事が考えられます。
ピラティスでは、呼吸をお腹と胸が協調した呼吸で行います。特に、肋骨と溝落ちの動きを感じながら息を吐き切るようにすると効果的です。上記の呼吸法により首や肩の痛みの軽減が期待できます。
体が硬い方の多くは、自分の体を動かす際にどのように動いているか自覚できてない方多いです。
例えば、前屈をする場合です。前屈は背骨を曲げて骨盤を前に傾ける動きです。
腰が痛い方の多くは背骨の柔軟性がなく、骨盤も背骨と連動して動いてません。動かない場所を無理に動かそうとすると、動きの悪い場所にストレスが溜まり痛みに繋がります。
ピラティスでは、「動ける場所」と「動けない場所」を認識しながら動きます。骨盤と背骨を積み木に例えると、それぞれの積み木が正しく動くとでスムーズな前屈が可能となります。
姿勢を保つためには、腹筋と背筋の力を使って体幹を安定させる必要があります。猫背や反り腰は、腹筋と背筋のバランスが崩れることによって生じます。猫背は腹筋の力が抜けて背中が丸くなる状態であり、反り腰は背筋に過剰な力がかかり、身体が前に傾く状態です。
ピラティスの動きやポーズでは、特に腹筋と背筋の両方を意識して使うことが求められます。腹筋と背筋を正しく使えるようになると猫背と反り腰の改善が見込めます。
姿勢や身体の動かし方の癖を改善するためには「自分の力で、自分の体を制御する」必要あります。
自分の体を変えるためには、呼吸方法や身体の柔軟性・筋力バランスなどが関係しております。
ピラティスは呼吸と運動を組み合わせたもので、ゆっくりとした動きや流れるような運動を特徴としています。
日常生活で筋肉を過度に使ったり、関節を無理に動かすことをせずに体への負担を和らげることが期待されます。
個々の状況に応じて適切なトレーニング方法が異なるため、専門家の指導を受ける必要があります。
西調布整形外科に一度ご相談下さい。
編集者
理学療法士 小川 輝大