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コラム
COLUMN
 
Vol.05
腰を曲げることによる痛み
前回は腰やその周辺の構造について説明しましたが、今回は「筋・筋膜性腰痛症 、腰椎椎間板ヘルニア」の2つについて説明していきたいと思います。

①筋・筋膜性腰痛症とは
悪い姿勢や無理な体勢での動作は、腰周りの筋肉や筋膜へ過剰なストレスを与えます。
この筋肉や筋膜が過度に緊張したり、損傷することで痛みが出現します。
筋・筋膜性腰痛症では、レントゲン上での骨の異常はなく、痺れや感覚障害などの症状はありません。

◎筋・筋膜性腰痛の症状
症状の特徴は、“椅子からの立ち上がり動作”や、“前に屈む動作”の際に、腰回りの筋肉や筋膜に過剰なストレスがかかり、鋭い痛みが生じることです。
これらの動作の詳細については、過去のコラム記事をご参照ください。(立ち上がり動作:Vol.3、前屈動作:Vol.4)

②腰椎椎間板ヘルニアとは
背骨を繋ぐ椎間板は、クッションの役割をしており、腰を曲げると椎間板には圧縮のストレスがかかります。捻る動作が加わると、より一層圧縮のストレスを受けます。
椎間板が圧縮され、突出することで神経を圧迫し、痛みや痺れなどの感覚障害、筋力低下などが現れます。
加齢などで徐々に椎間板が変性し、症状が現れることもあります。
悪い姿勢や無理な体勢で動作をする事で、発症のリスクが高まります。

◎腰椎椎間板ヘルニアの症状
腰痛、下半身の痛みや痺れ、足の筋力低下などが起こります。
足に力が入りにくくなり、歩行中につまづきやすくなることもあります。

◎腰椎椎間板ヘルニアの治療
神経への圧迫があっても、症状や程度は個人差があり様々です。
痛みが強い時期は安静、コルセット着用、投薬、神経ブロックを行いますが、この時期から運動療法も開始して行く事が必要となります。

コルセットの着用は、腹筋の働きを補助し、腰への負担を軽減させることができます。
ご年齢や症状の程度にあったものを選択し、腰回りを安定させていきます。
また運動療法では、股関節の運動や、動き方の練習なども行い、再発の予防にも取り組みます。

腹筋と背筋の関係
腰は、“腹筋”と“背筋”が筋膜によって繋がり、連動して働く事で背骨を支えています。
しかし、腹筋の筋力が低下すると、姿勢を維持できずに腰が曲がり、骨盤が後傾した悪い姿勢が習慣となります。
この姿勢では、背筋が引き伸ばされ、力を発揮しにくい状態となるので、良い姿勢を保つことも難しくなります。

股関節と体幹の関係
腰は、過剰な負担を避け安定させる必要があります。
しかし、股関節が硬いと代わりに腰を動かしてしまうため、安定を確保することができません。
そのため、股関節の柔らかさが必要となってきます。

特に、股関節周りの筋肉は日頃から定期的に運動をしていない場合は硬くなりやすい部分です。
下のチェックポイントで股関節の柔らかさを確認してみてください。

股関節のチェックポイント
痛みが出る場合はすぐに中止して下さい。
仰向けで寝て脚を伸ばします。片脚を伸ばしたまま可能な限り持ち上げます。
この時、腰が反ったり、床につけている膝が曲がってこないように気を付けましょう。
脚が十分(70°)に上がらなかったり、上げた脚の膝が曲がってくるようであれば、太ももの裏の硬さや、腹筋の筋力が低下しているサインです。

股関節のセルフストレッチ
痛みが出る場合はすぐに中止して下さい。
股関節から曲げる事が出来ているかが、重要なポイントとなります。
症状が出ていない方でもストレッチを行い、腰痛を予防しましょう。

症状の部位や程度は人それぞれになりますので、このストレッチが皆様に当てはまるわけではありません。
症状の増悪を防ぐためにも、なるべくお早めに医療機関へ受診されることをお勧めします。
 
Vol.04
腰痛について
腰痛は、“約80%の方が生涯に一度は経験する症状”といわれるほど身近なものです。
皆様もこれまでに一度は、腰の痛みに悩まされた経験があるかと思います。

腰痛の原因・症状は非常に複雑なものなので、何度も繰り返してしまわれる方もいるのではないでしょうか。

腰痛とは?
腰痛の定義としては確立されたものはありません。
腰部の筋肉・椎間関節・椎間板など原因の明らかな症状もあれば、心理社会的因子による非特異的腰痛といわれるものもあります。
急に痛くなる急性腰痛や、3か月以上継続する慢性腰痛もあり、病態は複雑です。
これらの中で特に多い疾患に関しては、次回以降で掲載します。

今回は、腰部の仕組み・機能や役割についてです。

腰部の仕組み
腰椎は5個の骨があり、その中でも3個目が頂点となるように前方へ弯曲しています。脊柱の中でも曲げ伸ばしの動きは大きいですが、捻る動きは小さいのが特徴です。
脊柱の間には椎間板があり、クッションの役割を担っています。

脊柱全体からみた腰椎
脊柱は頸椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨で構成されます。
脊柱の弯曲は相互依存関係にあります。ある部分の弯曲が変化すると他のすべての部分の弯曲に変化が生じます。
腰椎周辺に問題が生じてしまうということは、その上下の“胸椎”や仙骨を含む“骨盤”の問題により被害を受けている可能性があります。

腰は安定させたい場所!
腰部は、肋骨などがなく骨での支持性が低いので、他の部位よりもさらに筋での安定が求められています。
筋が硬くなると、身体の動きが悪くなってしまうため、代わりに胸郭・股関節などが大きく動く必要があります。(※股関節は骨盤と大腿骨で構成されます)

胸郭や股関節など、大きく動いてほしい関節が動かなくなると、腰椎が代償的に動くことで腰椎本来の機能が低下し、その結果として痛みが生じることになります。

動きのパターン
例えば前かがみをする際、正しくできていれば、股関節が曲がるところから始まります。
股関節が限界まで曲がり、そこから徐々に背中が弯曲して脊柱全体が滑らかなカーブを描くのが理想となります。
爪先に手が届かない人のほとんどが股関節からではなく、背中を丸める動きから動作が開始されていることが多いです。

このような人は前屈動作に必要不可欠な腰部の安定が低下しており、動作の始めに丸める動きが出てしまうため、それが過剰な動きとなり周りの筋や椎間板などへの負担が増大します。

この腰部の安定を補うため、太ももの裏の筋(ハムストリングス)など股関節周囲の筋は緊張し硬くなります。
起立動作や、床のものを拾う動作など、日常生活の中で繰り返すことで、股関節の可動範囲が徐々に制限されていき、本来の機能を発揮できなくなります。

正しい前屈のcheck point
・お尻が後方へ引けている
・背骨がなだらかな弯曲を描いている。
左の写真ではお尻の後方移動が少なく、腰のあたりで急激に弯曲しています。

腰部を安定させるためには…?
腰部を安定させるためには、深層にある腹筋の働きが必要不可欠であり、呼吸や姿勢のコントロールを行う上でも重要な部分となります。
呼吸と姿勢には密接な関係があります。
つまり、正しい呼吸を行うためには、正しい姿勢にする必要があり、その逆も言えます。

呼吸には大きく2つに分けられます。
肩を上下に動かして行う胸式呼吸と、お腹を膨らませて行う腹式呼吸があります。
腹式呼吸では深層の腹筋群の働きが必要になります。この呼吸をすることで、腰部を安定させ、姿勢をコントロールすることが可能となります。

腹式呼吸のチェックポイント
仰向けに寝て、膝を曲げます。手は片方を胸に、もう片方をおへその下に置きます。
その状態で呼吸をし、胸とお腹の動き方を感じてください。胸が先に動いている場合は胸式呼吸です。腹式呼吸はおへその下に置いた手から動く、もしくは両方が同時に動く場合です。
呼吸は姿勢の影響を受けるため、寝ている状態ではできていても、座っていたり、立った状態でも必ずできているとは限りません。最初は仰向けからスタートし、うつ伏せ、座位、立位と徐々に姿勢を変えながら練習してみてください。

もし、腰痛や他の部位でもお悩み等がございましたら、当院に一度ご相談ください。
 
Vol.03
立ち上がり動作について
「膝や腰が痛い・・・」「立ち上がる時や階段の昇り降りで特に・・・」でもレントゲンを撮っても骨には異常がなく、関節にもそんなに異常は認められないという方はたくさんいます。

膝、腰の関節に直接損傷がなくても痛みは出ます!
日常生活はもとより、スポーツ・運動をする場合に膝は無意識で使いやすいです。腰は屈む動作等で常にストレスがかかりやすく、ただ座っている・立っているだけでも負担がかかり易い部位です。

今回は、膝・腰に負担のかからないように立ち上がり動作についてお話ししたいと思います。

ヒトは四つ足動物から直立二足でできるようになったのは、股関節が曲がっている姿勢から真っ直ぐに伸びたということが大きな特徴と言われています。
そのため、起立動作というものは人間の動作の中で歩行と並んで大きな特徴のある動作です。

立ち上がる際に体幹を前に倒さず、踵重心のまま下腿前傾し、膝を曲げた動作を行うと膝関節や大腿四頭筋等に大きな負担になり、膝や腰の痛みの原因になります。図①
背中が曲がり、骨盤が後傾したまま立ち上がる 図②
逆に骨盤が後傾したまま背中を反らしたまま立ち上がる 図③
など、腰椎や背中の筋肉に大きな負担になります。

理想の立ち上がりは
脊柱・骨盤正中位から 図❶
股関節を曲げる(体幹・骨盤を前に倒す)図➋
つま先に体重が乗りお尻が浮いたら 図➌
真上に立ち上がる 図➍
➋、➌辺りがとても難しいと思います。イメージしやすいのはスキージャンプの踏み切る直前の姿勢です。
おへそが腿につくくらいのイメージを持ってやってみて下さい。

きれいな姿勢で股関節をよく曲げて立ち上がれば膝や腰への負担は減ります。
同時に股関節、体幹も鍛えられきれいな姿勢に近づくことができると思います!
Vol.02
足関節(足首)のストレッチについて
  足首のストレッチと言うと脹脛(フクラハギ)のストレッチを思い浮かべる方も多いと思います。今回は脹脛のストレッチの際のポイントをお話ししたいと思います。

脹脛を伸ばす際には、足関節を背屈(反らす)させる事で、脹脛の後面にある腓腹筋・ヒラメ筋・アキレス腱などのストレッチが出来ます。
 足関節を背屈させる際、距骨という骨が後ろに滑り、下腿が前傾することで背屈運動が生じます。患者様から「しゃがむ時に足首の前が詰まって痛い!!しゃがめない!!」という訴えをよく伺います。そのような訴えを持った方は、この距骨の後ろへの滑りが上手く行なえず、問題になっている事が多いです。
 よって、脹脛を伸ばす際には身体をしっかりと前傾させ膝を伸ばし、つま先に体重が乗った状態を作り、そのまま踵を押し込むようにして足首を反らしてください。踵に体重が乗ってしまうと、距骨が後ろへ滑らず下腿も前傾できなくなり足首の前方で骨同士が詰まってしまいます。
 また、しっかりと足関節を背屈させた状態で足趾を握る事で、足の裏にある足底腱膜やアキレス腱と下腿骨の間にある脂肪体等の軟部組織を動かすこともできます。

「足首が硬い!!」とお悩みの方は是非コツコツと試してください。
 
Vol.01
足関節(足首)について
  足関節(足首)は足部の距骨と下腿の脛骨と腓骨が靱帯でつながれ関節を構成しています。
 足関節は螺旋(ラセン)関節に分類されます。螺旋関節はドアの付け根の様な蝶番の構造に加え、捻り運動ができる構造をしています。実際には底屈・背屈(下げる・反る)という動きに加え、内返し・外返しと言った捻りの運動が可能です。特に、底屈(足部を下げて)位での内反(内返し)方向へ一番大きく“緩い”です。その為、足首の外側には靱帯が多く有り、緩さを守っているのです。ハイヒールを履いた女性が捻挫をしやすいのもこの為と思われます。

 足関節は緩さを補うために、様々な靭帯に囲まれています。写真の緑の部分が靭帯です。

 靱帯という線維組織は多少の伸縮性があるため、外力が加わると僅かに伸びます。しかし、更に強い外力が加わると損傷を起こします。筋肉はストレッチ等の刺激が繰り返し加わると筋線維が増え伸びやすくなりますが、靱帯ではそのような変化は起こりません。靱帯は筋肉と違って伸縮性が乏しい組織なのです。

 患者さんの話を聴いていると、ストレッチと言うと「足首をグルグル回す。」とよく聞きます。足首に対して「足首をグルグル回す」というストレッチは本当に正しいことなのでしょうか?力の加え方が少しでも強くなると“靱帯損傷”なんて事になるかもしれません!無理なストレッチはやめましょう。関節を不安定にしているだけかもしれませんよ。

 次回は、オススメの足首のストレッチについて説明したいと思います。
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